飼猫・野良猫中央研究所

主に猫のこととスタートアップ・新規事業のこと。

迷子になった猫が帰ってくるまでの全記録

ほんとうによかった。ほんとうによかった。猫が帰ってきた!

私の不注意で迷子になってしまった猫が、三日三晩の放浪のすえ、無事に帰ってきてくれました。これは、猫が迷子になってから無事に帰ってくるまでの我が家の全記録であります。

 

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猫がいなくなった(1日目、朝10時)

思い出すだけで自分のバカさに腹が立ちますが、ある休日の朝のこと、目が覚めると猫の気配がないのです。まあ、どうせどっかの箱にでも入ってるんだろ、と思って二度寝までしてしまい、次に起きたのが10時すぎ。いつもならエサの催促が入るはずなのにそれもない。ようやく、これはおかしい、と思って部屋の中を捜索すると、やっぱりどこにもいない!しかも2匹とも!サーっと血の気が引いていくのがわかりました。

 なんで?なんでだっけ??と考えてもどうしても原因がわからず、まずは落ち着くためにカーテンを開ける。すると・・・

 猫がいた!でも1匹だけ

なぜか庭に1匹いた。しかも、すごく鳴いてる。あわてて窓を開けると部屋に飛び込んできてニャアニャアと抗議の声を上げる。一晩中外に閉め出されていた模様。足元にすり寄ってくる猫をなでながらもう一度考えてみると、どうもこういうことらしい。

前日の夜、寝る直前に庭でちょこちょこと作業をしていた際に、窓を閉めるのを忘れていた → 猫が外に出てしまう → まったく気付かない → 作業が終わって部屋に戻り、窓を閉める → そのまま寝てしまう → 猫、閉め出される

少しお酒が入っていたとはいえ、寝ぼけながらの作業だったとはいえ、こんなアホなミスをするなんて。(我が家の猫たちは室内飼いなので、猫だけで外にだしたことはありませんでした)

 もう1匹の猫は??(1日目、11時から15時)

とりあえず1匹は戻ってきてくれてよかった・・・。でももう1匹はどこ??

庭のまわりを見渡すも、なんの気配もない。シンスケはもともと、家の庭によく来ていた野良猫を捕まえて飼い始めた猫なので、周辺の地理には詳しいはず。近くの公園や駐車場、茂みの中など、野良猫時代のシンスケが出没していたスポットを中心に探しまわること4時間。でも、猫って昼間はあまり動かないですし、まあ見つからないですよね。案の定、時間だけが過ぎて日が傾いてきました。

 

 チラシ作る、警察に届ける(1日目 午後4時くらい)

次にしたことは、「チラシ作り」です。マンションの掲示板に張ったり、周辺の人や宅急便の人に配ったりなど、迷い猫の捜索には定番ながら最も効果があるとのこと。ネット上の情報を参考に、こんなチラシをつくりました。(記事の一番上の画像参照)

写真のシンスケはどうしようもなく可愛くて、「絶対に見つけ出す!」と改めて覚悟を決める。保健所等は休日で受け付けていなかったため、まずは警察署に届けることに。ペットの迷子って、「遺失物」にあたるんですね。最寄りの警察署で書類を書いて、チラシも1枚渡して完了。これってどのくらい効果があるんでしょうか。

 監視カメラのセット(1日目、午後4時くらい)

このタイミングで、庭に監視カメラもセットしました。以前の記事でも紹介した、外出中に猫を愛でるためだけに購入したスマホ連携の監視カメラ「Safie(せーフィー)」です。

 

shashin.hatenablog.com

 

後からも度々登場しますが、これが本当に効果的でした。逃げてしまった猫は、元の場所に戻ってくることが多いそうなのですが、ずっと窓を見続けている訳にもいかないので、見逃してしまう可能性も高い。そこで監視カメラの出番です。これは、モーションセンサーも付いていて、猫が庭に現れればすぐさまスマホにアラートを出してくれるのです。ナイトビジョンの機能もあるので暗い時間でも安心。

 監視カメラに猫が映る!そしてまた逃げる!(1日目、午後7時くらい)

警察署に行っている間、ことあるごとにスマホで監視カメラの映像をチェックしていたのですが、何度目かのときに、今までなかった変なものが映りこんでいるのを発見。これ、猫の尻尾ではないか??

 

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(これ、わかりますかね。窓の外の白い段の上に、うっすら猫状のなにかが・・・)

 

絶対に尻尾でしょ!これ!

急いで家族に電話して確認してもらったところ、確かにシンスケが庭に来ているではありませんか。やった!これでシンスケ戻ってくる!!歓喜に震えました。

でも、声をかけたりエサを置いたりして、色々と手をつくしたにも関わらず、シンスケは戻ってきてくれず、また夜の闇に消えて行きました・・・。

一日近く外に閉め出されていたことで、ものすごく緊張していたのだと思います。警戒心をあらわにして、なかなか近寄ってきてくれなかったとのこと。一度だけ、家の中にまで入ってきてくれたのですが、窓を閉めようとするとまたサッと逃げてしまい、しかも窓を閉めるときの音でまたびっくりして警戒度が上がってしまう始末。

その日は、もう現れてくれませんでした。シンスケ、どこに行ってしまったのか。夜寝るときも窓を開けておいて、シンスケがいつでも入ってこれるようにしておいたのですが、気配すら感じることができなかった。

 翌日は大雨。心配募るも猫は顔見せず(2日目)

翌日、朝起きると雨がふっていました。その雨は次第に強まって、夕方から夜にかけて豪雨に。シンスケ、雨に濡れて震えているんじゃないだろうか。私の不注意のせいで…。もう一匹の猫のゴマさんが寂しそうな声をあげるたびに、責められているような気持ちに。ものを食べても味がしない。本や仕事の資料の内容が頭に入ってこない。

雨は翌朝まで降り続き、二日目は結局、一度もシンスケは現れませんでした。つらかった。

唯一の進展は、某所から小さめのケージを手に入れたこと。野良猫だったシンスケを捕まえたときは、このサイズのケージを使ったのです。中に入れたエサを食べている間に、反対側から紐を引いて扉を閉めるというシンプルな仕掛け。またこれでシンスケを捕まえるのさ。

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仕事にいかねばならない(3日目朝)

失踪3日目は平日。しがない会社員である私は、仕事に行かねばなりません。後ろ髪をひかれながら仕事へ出かけました。ただ、シンスケの安否を確認するため、監視カメラだけはセットしていきました。

 なんかシンスケっぽいのがいる(3日目、午後2時ごろ)

その日の午後2時ごろ、スマホに「カメラがモーションを検知しました」との表示が。カメラの画像を確認すると、茶色の猫が映ってる。

 

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(カメラ位置が悪く、全体像は映ってないですが、確かに茶猫が下のほうに)

 

これ、シンスケだよね。絶対そうだ!!矢も楯もたまらず、仕事をほっぽり出してタクシーに乗り、家へ向かう。幸い、職場と家はタクシーで15分くらいの距離なのです。すぐ行くから!どこにも行くなよ!と祈りながら。

 

家について、扉を開け、庭へ向かう。すると・・・・・・、

 

別の猫でした。

 

我が家の庭は多くの野良猫たちの通路になっていて、いろんな猫が出没するのですが、確かにそのなかに、全身茶色のトラ柄の猫がいるのです。でも、こいつは少なくともここ数カ月は顔を出していなかったんですよ。なんでこのタイミングでこいつが。絶望だ。神も仏もいないのか。

このときは本当に精神的にまいってしまっていて、こいつがシンスケを苛めたのではないか!?そのせいでシンスケがここに来られなくなっているのでは!?などと思ってしまっていました。なぜそんなことを考えたのか、今となっては謎です。じゃけんに追い払ってしまってごめんよ。

その後、がっくりと肩を落としながら会社に戻りました。

 今度は絶対シンスケだ!(3日目、午後7時半ごろ)

気分は最悪ですが、仕事は山積み。無心で仕事をし続けること数時間。また監視カメラのモーションセンサに反応が。見ると、また猫がいる!さっきの野良猫?いや、このたたずまいは・・・シンスケだ!絶対シンスケだ!目大きいし。よく見れば首輪も映ってる。これはもう、間違いないでしょ!やった!やったよ!

 

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また仕事をほっぽり出してタクシーに乗り込む。運転手さんが新人らしく、あまりにゆっくり運転するのでイライラしてしまいましたが、信号はスムーズで昼のときよりも早いくらいの時間で家に到着。「お釣りいりません!」なんて、生まれて初めて言いました。

家に入ると、なんと、なんと、シンスケです!庭にシンスケいました。やった!

そっと窓を開けて、いつものカリカリを出してあげて、冷蔵庫にとっておいたアジをさばき、刺身にしてカリカリに添える。完璧。

と思ったら、もう1匹の猫のゴマさんをケージに入れるのを忘れていて、またゴマさんが外に出てしまう。あわてふためくも、ここで驚かせたら二匹とも逃げてしまう。口から心臓が出そうになりながら、じっとこらえて遠くから見守っていると、

シンスケさん、家に入ってきてくれました。よほど腹が減っていたのか、捕まえる用のケージにすんなり入ってくれて、遠くから紐を引いて扉を閉め、あっさり確保。ゴマさんも、特に外にこだわる感じもなく、雑草を2~3本食べたら満足したのか、さっさと部屋に戻ってきてくれました。

長い三日間でしたが、幕切れはけっこうあっけなかった。でもほんとに、ほんとによかった。心からほっとしました。

 反省とSafieすごいという話

今回の件は、本当に色々と反省しました。猫って、あんなに静かに外に出てしまうんだ、と。まったく気付かなかった。外につながるドアや窓を開けるときは、細心の注意を払わなくては。

 

あと、監視カメラのシステムを作ったベンチャー企業のSafie社と、カメラ本体を作ったテルモ社には、心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。あなたがたの製品とシステムがなかったら、シンスケは今、この場にいなかったでしょう。

素晴らしい製品・サービスは、人(猫)を幸せにしてくれる、ということを改めて実感しました。

改めて考えると、「スマホ連携」、「モーションセンサ」、「ナイトビジョン」の3点って、迷い猫捜索に必要かつ十分な機能だという気がします。

 その後の猫

シンスケが帰ってきてから数日が経ちました。帰ってきた当日から、もう以前とあんまり変わらずくつろいでいるようです。ひとつ変わったことと言えば、なんとなく甘えてくるようになったことでしょうか。外でよほど怖い目にあったのか、以前よりも家が好きになったようですし、私たち人間に対しても、なんだか恩義を感じてるようなそぶりを見せてきます。閉め出したのは私だし、むしろこちらが申し訳ないんですが。ごめんよ。

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