飼猫・野良猫中央研究所

主に猫のこととスタートアップ・新規事業のこと。

野良猫を飼い始める その2

失踪したシンスケが戻ってきたのが12月のはじめ。このころから、シンスケを我が家に迎え入れたいと考えはじめた。

 

しかし、私たち(自分と奥さん)はどちらも猫を飼った経験がなく、まったくどうしていいかわからない。しかも、外で自由かつ楽しそうに暮らす猫をわざわざ飼って家の中に閉じ込めるというのはいかがなものか、それよりも愛護団体で保護されている、里親を「必要としている」猫を飼うほうが倫理的に正しいのではないか、という思いもある。

 

今思えばつまらないことだけど、当時は自分たちだけでは決められないと思い、ネットで様々な人の意見を調べていた。しかし案の定、妙に感情的で極端な意見ばかりに見えてしまい、特に参考にできるものは見当たらない。いわく、野良猫を捕えて飼うのは不自然でかわいそうな行為だ。いわく、全ての野良猫にとって、人に飼われるのが幸せである。

 

結局、「猫の幸せ」というものは人間にはおよそ理解できないもので、人間が猫に対してどうするべきか、というのは、人間が自分なりに答えを出すしかない。

そして、私がその時点で出した答えは次のようなものであった。

「シンスケは野良でもしっかり生きていける力のある猫であり、野良でいたほうが幸せなのかもしれない。そんなシンスケを捕まえて飼うという行為は、どう考えても褒められたものではない。しかし、シンスケが私たちを必要としていなくても、私たちのほうはシンスケを切実に必要としている。」

改めて言葉にしてみると身勝手な話だけど、当時の私たちはそう考えてシンスケを捕え、飼うことを決断した。そして、飼い始めて3カ月経った今でも、まったく同じことを思っている。

 

具体的な捕獲の方法については、以下のサイトで紹介されているものを参考にさせていただいた。(すごく上手くいった)

http://www.potteringcat.co.jp/capture051221.html

 

捕える前のシンスケは、なでさせてはくれないものの、家の中に入ってきてくつろいだり、エサを手から食べてくれたりと徐々に慣れてきていたのだけど、捕えた時点でその関係は完全にリセット。怯えた表情でこちらを見つめてくる。

 

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捕えて数日はケージの中にいてもらったのだけど、ストレスのせいか、爪とぎ用の段ボールをかみちぎってケージの中にばらまいてしまう。気の毒に思うと同時に、そんな状況に追い込んだ自分に罪悪感を持ち悩む日々。

 

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それでも徐々に馴れてきてくれ、2か月くらいで一緒に遊んでくれるようになった。

3か月が経った今は、まだなかなか撫でさせてはくれないけど、毎日おもちゃでの遊びをせがんでくるまでになっている。