飼猫・野良猫中央研究所

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「ヘカトンケイルシステム」についての雑感

先日、こんな記事が目に留まった。

救急・災害医療にドローン、実証実験始まる

救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会(EDAC)が主催する「救急医療・災害対応におけるIoT利活用推進コンソーシアム」は2016年11月8日、救急医療・災害対応におけるIoT利活用モデル実証事業に関する実証実験を、九州大学伊都キャンパス(福岡市)で開始したと発表した。

EDACは、ドローンなどの技術を災害・救急用途に活用することを目指す団体。今回の事業は総務省のIoTサービス創出支援事業に採択されたもの。ヘカトンケイルシステムのリファレンスモデルを構築し、特区制度を活用した実証実験を通じてその普及のための課題や要件を整理する。ヘカトンケイルシステムとは、各種のウエアラブルデバイススマートフォンアプリ、119番通報などによる受動的情報収集と、ドローンなどの無人機による能動的情報収集やフィードバックを半自律的に統合するシステムを指す。

救急・災害医療にドローン、実証実験始まる:日経デジタルヘルス

 

ヘカトンケイルシステム!!真面目な記事の中にこの用語が出てきてのけぞりそうになった。

この「ヘカトンケイルシステム」なるものには元ネタが2つありまして、1つはギリシャ神話に出てくる3人の巨人、もう1つは、1980年代の日本のマンガ「アップルシード」に出てくるサイボーグ技術のことであります。(アップルシードのヘカトンケイレスもギリシャ神話が由来なので、源流は1つ)

そして、この 記事に出てくるヘカトンケイルシステムは、このマンガ「アップルシード」にあやかってつけられた名前だと思われる。

 

アップルシードに出てくる「ヘカトンケイルシステム」は、1人のサイボーグがたくさんの機械を自分の手足のように動かせるという技術で(合ってるかな。。。)、作中でこれを搭載している主人公(ブリアレオス)は、敵味方の兵器を自分の脳みそに接続して制御する、という芸当をやってのけている。

 

一方、冒頭の記事の事例では、色んなデバイスや機器を通して得た情報を、おそらくAIが統合して、消防や救急、警察等の主体にフィードバックしていく、というシステムのようだ。サイボーグとAIという違いはあれど、そして、実現する機能の違いはあれど、確かにコンセプトは似ている。

おそらく、このプロジェクトを企画した人の中にアップルシードファンの人がいて、こういうネーミングになったんだろうけど、それにしても、アップルシードというマンガがなければ、この発想に至らなかったのかもしれない。 

だとすると、マンガが実際に世の中を変えていく、ということが実際に起こっていると言ってしまってもいかもしれない。

甲殻機動隊リアライズプロジェクト」しかり、これから先、マンガやアニメ等のコンテンツ発の技術・アイデアが現実世界ににじみ出てくる、ということがたくさん起こってくる気がする。

そうだとしたら、魅力的なコンテンツを死ぬほどたくさん抱える日本は、これからがチャンスなのではないかと思う。

「コンテンツ・ドリブン・インダストリー」とか、「メイドインフィクション」とか、色んな言い方が出てきているみたいだけど、これからはこの分野だと思うのです。

これからも注目していこう。

 

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